パキスタンのひとコマ・バックナンバー アルバム…2025年1〜6月掲載分

パキスタン北西部に住む非イスラームの少数民族「カラーシャ」。収穫の開始を告げる「ウチャオの祭り」では、マハンデオの神に捧げた聖なるチーズをみなで会食する。カラーシャにとってチーズは一番のご馳走で、塩をまぶしてタシーリ(クレープのようなパン)と一緒に食べる。[撮影:丸山純]

マハンデオ神への儀礼と、神に捧げた供物の会食が終わると、村の広場に人々が集まってきて、暗闇のなかで歌と踊りが始まる。[撮影:丸山純]

歌と踊りの伴奏に使われるカラーシャの大太鼓「ダオ」と砂時計型の「ワッチ」。かならずペアで演奏する。ダオに似た太鼓は各地にあるが、ワッチは他に例がなく、故・小泉文夫氏(民族音楽学)は、正倉院に保存されている細腰鼓(さいようこ)の祖型とも考えられるという仮説を提唱している。[撮影:丸山純]

ウチャオ祭の夜、暗闇のなかで踊る女性たち。ウチャオでは3種類の歌と踊りがおこなわれるが、これはゆっくりした「ダジャイーラック」という踊り。男は肩を組み、女は腰に手を回して列につながり、中央で歌う長老たちの周囲をゆっくりと回っていく。[撮影:丸山純]

これは「チャー」という速いテンポの踊り。3人ぐらいで肩を組み、くるくるとその場で回転しながら、踊りの広場をゆっくりと回っていく。[撮影:丸山純]

踊りの輪の中央では、長老たちが歌をうたっている。三種の踊り歌のなかでもゆっくりしたテンポの「ダジャイーラック」では、各氏族(父系血縁集団)の過去の栄光や歴史を讚えてうたわれることが多い。カラーシャ語には文字がないので、歌で民族としての歴史を伝承していくのだ。自分の氏族を褒め称えてくれたお礼に、小額の紙幣を帽子にはさむ。[撮影:丸山純]

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