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カラーシャの女性がかぶる帽子クッパース。大人用だと、宝貝が600個以上も縫い込まれていて、ずしりと重い。幅15センチくらいの帯状に織った羊の毛の織物を、U字型に折り返して角を縫い付ける。クッパースは2年に1回、春の大祭ジョシめがけて作り替える。古いものから貝を外して洗ったのち、織り込んだ線に沿ってひとつずつ縫い付けていく。[撮影:丸山純] |
5月中旬に4日間おこなわれるジョシの祭りと、2週間後に催されるムラッチワキジョシが終わると、季節はいきなり夏になる。すくすくと伸びたトウモロコシの畑を流れる涼しげな水路で、子どもたちが裸になって遊んでいる。[撮影:丸山純] |
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アンズの実を収穫したのち、種を取って天日干しにする。畑の緑とアンズの黄色の対比が鮮やか。干しアンズは、水に戻してジャムのようにして食べたり、その水を蒸溜してブランデーを作ったりする。[撮影:丸山純] |
カラーシャの谷では、ワイン作りも盛ん。舟桶にブドウを盛り、脚で踏んで液を絞り出す。ビンやカメに入れて保存すると、2週間ぐらいで発酵してワインになる。フルーティーで、とてもおいしい。しかし、コルク栓がないので、ときどきとんでもないシロモノができてしまうこともある。最近は、ポリタンクやペットボトルを用いることも増えてきた。[撮影:丸山純] |
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カラーシャの家は、山の斜面を利用して建てられる。いまは平屋の家が多いが、伝統的には2階建てで、下が物置や家畜小屋、上が母屋とバルコニーになっている。[撮影:丸山純] |
カラーシャの主神マハンデオの祭壇。4本の馬頭が突き出ているが、神は馬ではなく、あくまでもシンボルにすぎない。浄めの儀礼をして結界を張り、捧げ物をすると、神が降臨してくる。[撮影:丸山純] |
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マハンデオの祭壇から村を見下ろしたところ。前の家の屋根が自分の家の庭というように、山の斜面を巧みに利用して、階段状の集落を形成している。村は洪水や外敵を避け、冬の積雪にそなえるために小高い南向き斜面につくられていて、川からの比高差は150〜200メートルほどある。[撮影:丸山純] |
カラーシャの女神ジェシュタクの神殿であるジェシュタカーンの入口。幾何学的な彫刻が刻まれている。ジェシュタクは子育てを司る女神で、もともとは各リネージ(氏族)ごとに1つもっていたが、現在は壊れてしまって再建できないものもある。[撮影:丸山純] |
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ジェシュタカンの入口を横から見たところ。両脇にヒツジの頭が突き出している。ただし、女神ジェシュタクはヒツジではない。あくまでも目印だと言われている。[撮影:丸山純] |
女神ジェシュタクの神殿ジェシュタカンの入口には、幾何学模様が彫刻されている。これはきわめて「聖なる」模様で、彫れる者は限られているし、それをまねして描いたりしてはいけないとされる。[撮影:丸山純] |
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カラーシャの女神ジェシュタクの神殿、ジェシュタカンの内部。入口を入ると、4本の彫刻された柱が立っている。このジェシュタカンは壁が倒壊していて、後に改修された。[撮影:丸山純] |
カラーシャの三つの谷にはそれぞれ主神マハンデオの祭壇がある。これはルクムー谷のもので、グロム村の大岸壁を背にしている。[撮影:丸山純] |
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ルクムー谷のマハンデオの馬頭。先述したように、神は馬の形をしているのではなく、これはあくまでも降臨するための目印である。カラーシャは、かつてチトラル地域全般を支配していた時代は馬を飼っていたが、いまは飼料代がかさむため、馬は飼わない。[撮影:丸山純] |
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