今週のひとコマ・バックナンバーアルバム…2012年1〜3月掲載分

プレチアイシ サリアック
カラーシャの儀礼・プレチアイシ。秋の農作業が一段落すると、各氏族・家族ごとに犠牲のヤギやヒツジをマハンデオ神に捧げて、この1年の豊饒を感謝する。[撮影:丸山純] カラーシャの祭り・サリアック。雪に閉ざされる前に、花嫁の父や兄が結婚披露宴を開く。一族の女性たちがみんな実家に戻り、大勢の客を招待してごちそうを振るまい、夜を徹して歌と踊りが続けられる。翌朝、花婿に向けてたくさんのプレゼントが贈られる。[撮影・丸山純]
サリアック翌朝
カラーシャの結婚披露宴、サリアック。ひと晩踊り明かした翌朝、一族の者や村の人々にごちそうや贈り物が配られる。そのあと、たくさんの贈り物を持って、花嫁を花婿の家へとみんなで歌い踊りながら送っていく。[撮影:丸山純] 結婚披露宴と同じ頃、家の新築祝い・ドゥールニウェイシも催される。ヤギを捧げたあと、切り落とした首を持って家の壁に塗りつける。一族の者や近隣の住民にもごちそうが振る舞われ、朝まで歌と踊りが続く。[撮影:丸山純]
ムンムレット谷全景 伝統的な家
カラーシャの3つの谷で一番大きいムンムレット谷。冬になると雪が積もり、谷底や日陰斜面は根雪となる。村は小高い南向き斜面につくられているため、積雪があってもすぐに溶けてしまう。奥に見える山並みは、アフガニスタンとの国境となる5000メートル級の連山。[撮影:丸山純] カラーシャの谷では、冬のあいだは天気が安定せず、しばらく雪が降り続くこともある。これは、カラーシャの伝統的な二階建ての家。階下は物置や家畜小屋として使い、2階は母屋とベランダになっている。冬は、階段やハシゴに雪が凍り付いて、登り降りに苦労する。
冬の放牧 カガーヤック
夏の間はアフガン国境に近い高地の放牧地にいる家畜も、秋になって放牧地が雪に閉ざされると、村に戻ってくる。寒い冬の間、どんな悪天候の日でも、牧童たちは毎日欠かさず日帰り放牧に連れ出す。[撮影:丸山純] 祭りと儀礼に彩られたカラーシャの1年、その皮切りは「カガーヤック」。夜通し、肉入りの特別なパンを焼きながら、アフガニスタン側から飛んでくるという「白いカラス」に向けて、平穏や健康を願って祈り歌を歌う。明け方、みんなで豆を用意して外に出る。[撮影:丸山純]
カガーヤック ひな祭りの人形>
カラーシャの祭り「カガーヤック」。ひと晩中、白いカラスに向けて祈り歌を捧げていたのに、明け方、“普通の”黒いカラス(カガー)が飛ぶと、それに向かって悪口を言いながら豆を投げつけ、自分でも頬張る。[撮影:丸山純] カラーシャのひな祭り「カンバウーチャック」。春が近づいてくる頃、母親が木の棒と古着などの布きれを使って、娘のための人形を作る。女の子たちは食事を備えたりして、お人形遊びをする。[撮影:丸山純]
ひな祭り プーシ
日本のひな祭りでは、ひな人形を舟に乗せて水に流したり、火にくべて燃やしたりするが、カラーシャのカンバウーチャクでも、人形を村はずれの石の下に置き去りにする。[撮影:丸山純] まだ谷のあちこちに雪が残っているのに、春が近づいてきたある日、枯れ草のなかから淡いピンクの花が咲く。この一番花をプーシといい、見つけた子どもたちが紐に結びつけて、歌をうたいながら村の各家の煙突(煙出し)から垂らして、村を巡る。春の訪れを告げるのだ。[撮影:丸山純]
プーシの後のお礼  
花を煙突(煙出し)から垂らしてもらった家では、子どもたちに乾燥した桑の実やクルミの実を振る舞う。少しずつ食べながら村の家々を回って、最後みんなで分配する。[撮影:丸山純]  

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