今週のひとコマ・バックナンバーアルバム…2011年10〜12月掲載分

春祭りムラッチワキ・ジョシが終わると、カラーシャたちはヤギやヒツジ、ウシなどの家畜を山奥の放牧地へと上げる。向こうに見える峰々は、アフガン国境としてそびえる5000m級の連山である。放牧地は聖なる領域であるため女性は立ち入れないが、少女たちが生まれたばかりの子ヤギをかかえるようにして、境界領域の手前まで送っていく。[撮影:丸山純] 標高4000メートルを越す、高地の放牧地。急斜面にできたほんのわずかな平坦地に、家畜小屋が建てられている。このサイズではほとんどわからないが、床(地面)はヤギの糞でびっしり覆われている。[撮影:丸山純]
牧童たちは、早朝から家畜小屋を出て、高地の放牧地まで日帰り放牧に連れて行く。家畜は、種類や年齢別の群れに分けられていて、それぞれ出かけていく場所が違う。[撮影:丸山純] 高地の放牧地では、早朝と夕方の乳搾りが男たちの大きな仕事となる。ヒョウタンをくりぬいて、ミルクを溜めていく。脚に巻いているのは、革製のきゃはん。素足に近い感触で、岩場を歩いて行ける。[撮影:丸山純]
革袋にミルクを入れ、何時間かゆすると、原バターが分離する。ふわふわしていて、ものすごくおいしいが、あまり持たない。これを集めて加熱し、不純物を取り除くとギーになり、保存が利くようになる。[撮影:丸山純] 8月20日頃、カラーシャの夏の大祭ウチャオがおこなわれる。まず夕方から、各氏族ごとに、神に供える聖なるパンを焼く。[撮影:丸山純]
夜になると、各氏族の代表がマハンデオ神の祭壇の前に集まり、山奥の放牧地から運び下ろしてきた新しい聖なるチーズを神に捧げる。その後、男たち全員で、午後から焼いていたパンとともにチーズを会食する。[撮影:丸山純] カラーシャ族の夏祭り、ウチャオ。氏族の代表がマハンデオ神の祭壇で儀礼をしているあいだ、村の広場では歌と踊りが繰り広げられる。氏族の伝統を物語るゆっくりした踊りが続くと、若者たちは激しい踊りを催促する。日が昇って明るくなるまで、踊りが続けられる。[撮影:丸山純]
カラーシャの夏祭りウチャオで踊る女たち。周囲の山肌に太鼓の音や歌声が反響して、広場はまるで音の小宇宙と化す。[撮影:丸山純] これまで見ていただいてきたウチャオは、1984年の写真。その後、祭りの様子はずいぶん変わり、カラーシャ文化は廃れゆくかと思ったくらいだが、90年代後半からカラーシャであることに誇りを持つ若者が増えてきて、ウチャオの祭りも夜が明けてからもまだ続くようになった[撮影:丸山純]
夏祭りウチャオが終わると、収穫が始まる。最近ではトラクターを借りてくることもあるが、山間の畑では昔ながらの牛に踏ませる脱穀をおこなう。[撮影:丸山純] 脱穀の最中、牛のお尻がもこもこしてくると、すかさず小さな女の子が古い洗面器を持って走り寄り、ウンコを受ける。おかげで穀物はきれいなまま。[撮影:丸山純]

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