会報268号を発行しました

昨秋のシンポジウムの報告が充実しています

会報『パーキスターン』268号が出来上がりました。今号の記事の概要をお知らせします。

1.第12回国際ウルドゥー会議が昨年12月5日から8日まで4日間、カラチで開催されましたので、その模様を大東文化大学名誉教授の片岡弘次先生からご寄稿いただきました。片岡先生は「永遠の詩人ガーリブの没後150年を記念して」のセッションに登壇され、お話をされました。今回の会議では、大阪大学の山根聡先生もスピーチされました。

2.第33回シンポジウムは、昨年11月に日本大学文理学部で開催されました。メインテーマは「ハラールとパキスタンの食文化」で、ハラールについていろいろな角度からお話を伺いました。イムティアズ・アハマド大使から冒頭にパキスタンにおけるハラールについてのお話がありました。講演とパネルディスカッションの模様について、会員の大山純一郎さんから詳細な内容をご寄稿いただきました。大山さんには、会報原稿の他にも懇親会に手作りのケーキを毎年ご提供頂き、多大のご協力に深く感謝いたします。

3.「ミラクルバッグ:破棄されたバナーをアップサイクル」とのタイトルでペーパーミラクルズ代表の高垣絵里さんからご寄稿いただきました。今、廃棄プラスチックによる汚染が地球規模で進み、それをどのようにして減らしていくのか、大きな課題となっています。今まで破棄されていたバナーをバッグに仕立て直して活用するという素晴らしい発想と、それを実現されている筆者に声援を贈ります。

4.パキスタンの山「ルプガルサール(7,200m)試登」を、ヒマラヤニストの川崎浩史さんからご寄稿いただきました。ルプガルサールには2014年と2019年に2回試登が行われ、いよいよ2020年に本番の登山を行うとのことです。

5.OBITUARY宮森常雄氏を偲ぶとのタイトルで、会員の寺沢玲子からご寄稿いただきました。宮森氏は、この度パキスタン登山界牽引者の一人であるナジール・サビル氏の名を冠した「ナジール・サビル山岳賞」の栄えある第1回目の受賞者に選ばれ、優子夫人が賞を受けられました。宮森氏は、「カラコルム・ヒンズークシュ登山地図」他多数を刊行されています。

6.シャー真理子さんから「人と食、それは愛。そしてパキスタン」のご寄稿がありました。今号は、QOLという言葉に焦点をあて、それとは真逆のことが起きている現実社会を、人の手で作った暖かい料理で修正できるというお話です。

Vol. 268……2020年3月発行
第12回国際ウルドゥー会議に参加して:片岡弘次 1
第33回 シンポジウム・パーキスターンにおけるイムティアズ・アハマド駐日パキスタン大使スピーチ「パキスタンのハラールについて」 11
第33回「シンポジウム・パーキスターン」報告 「ハラールとパキスタンの食文化」:大山純一郎 15
ミラクルバッグ:廃棄されたバナーをアップサイクル:高垣絵里 25
《パキスタンの山》登山の記録 ルプガルサール(7,200m)試登:川崎浩史 32
OBITUARY 宮森常雄氏を偲ぶ:寺沢玲子 40
人と食、それは愛。そしてパキスタン(41):シャー真理子 46
パキスタン・ニュース 47
2019年度総目次 58