公益財団法人 日本・パキスタン協会略史
- 昭和22年(1947年)8月、独立直後のパキスタンの通商使節団来日を機に、日本の経済界として民間部門の日パ交流機関を設立することになり、日本パキスタン経済協会が発足した。初代会長には日本銀行総裁を務めた一万田尚登が就任した。2代目会長には東京銀行頭取二見貴知雄が就任した。
- 昭和32年(1957年)、当時の岸信介総理のパキスタン訪問が実現し、両国間に文化協定が締結されたのを機会に、名称を日本パキスタン協会と改め、経済関係に加えて文化交流にも尽くすことになった。
- 昭和35年(1960年)従来の任意団体から財団法人に改組し、第3代会長東京銀行頭取堀江薫雄の下に、組織の充実と業務の発展を図った。昭和46年(1971年)、第4代会長に日本航空社長松尾静磨が就任した。昭和47年(1972年)には日パ貿易が拡大し、両国間の経済交流が進んだ。
- 昭和50年(1975年)第5代会長に日本精工社長今里廣記が就任した。従来の法人会員のほかに、個人会員制を設けて協会の底辺を広げ、業容を拡大した。
- 昭和56年(1981年)4月より、ニチメン社長上田俊二が第6代会長に就任した。経済関係の緊密化・促進に加えて、文化の交流にも力を入れて両国民の理解の増進、友好親善関係の深化を図った。昭和58年(1983年)には日本政府の国賓としてズィヤーウル・ハック大統領が来日、昭和62年(1987年)には公賓としてムハンマド・ハーン・ジュネージョ首相が来日、また平成4年(1992年)には公式実務訪問賓客としてムハンマド・ナワーズ・シャリーフ首相が来日、さらに平成8年(1996年)には公賓としてベーナズィール・ブットー首相が来日され、それぞれ歓迎会を開催した。(1984年11月に東京商工会議所内に日本・パキスタン経済委員会が設置された。)
- 平成10年(1998年)11月より、ニチメン社長渡利陽が第7代会長に就任した。平成13年(2001年)11月には大統領特使としてショーカット・アズィーズ蔵相が来日、平成14年(2002年)3月には公式実務訪問賓客としてパルヴェーズ・ムシャッラフ大統領が来日され、それぞれ歓迎昼食会を開催・協賛した。また平成14年(2002年)10月には日パ国交樹立50周年記念特別シンポジウム/パキスタン・フェスティバルを在日パキスタン大使館と共催した。
- 平成15年(2003年)4月より、小松製作所出身のK. I. J. ACCESS社長今泉濬が第8代会長に就任した。今泉会長はパキスタン政府および在京大使館と緊密に連携をとり、文化・経済交流に貢献している。また、法人会員に役立つ機能の強化を図り、会員増強に成果を上げている。平成17年(2005年)2月、パキスタン政府の招待を受けて“カラチEXPO”見学のためのミッション(団長・今泉会長)を派遣し、一行はムシャッラフ大統領、アズィーズ首相と面談した。同年8月、アズィーズ首相が愛知万博出席のため博覧会賓客として来日され、万博のために制作した「苦行像」(レプリカ)のお披露目を主にしたパキスタンデーのテープカットを行った。今泉会長は、同首相歓迎の小泉総理主催の夕食会に民間人代表として招待され、日パ交流の促進に重要な役割を果たした。
同年10月に発生したパキスタン北部大地震に対して法人・個人両会員より義捐金を募り、470万円をパキスタンに贈呈した。
- 平成21年と平成23年に実務訪問賓客としてザルダーリー大統領が来日され、日パ経済委員会の歓迎昼食会開催に協力した。
平成22年のパキスタン始まって以来の大洪水被害発生に際しては、いち早く法人および個人会員に義捐金を募り、162万円をパキスタンに贈呈した。
- 当協会は、平成25年4月1日より、新公益法人法に則り、より公益性の高い公益財団法人に移行し、一層の事業活動の活発化を図ることとなった。
- 平成27年(2015年)にはダール財務大臣が来日され歓迎夕食会を開催した。
- 平成29年(2017年)には、今泉会長が日本とパキスタンとの友好親善増進の顕著な功績が認められ外務大臣表彰を受けた。
- パキスタンから、平成30年(2018年)にダーウード首相顧問が来日されて交流を深め、また、平成31年(2019)には、日本・パキスタン友好議員連盟会長の衛藤征士郎衆議院議員にパキスタン政府から勲章が授与されることになり、クレーシー外務大臣が来日された折にも日パの友好を深めることができた。
- 令和3年秋の叙勲において当協会の今泉会長が「旭日小綬章」を受章された。これは、75年にわたる協会の歴史の中で初めてのことである。
- 令和5年 (2023年)6月、アサド・マジード・カーン外務次官が来日、駐日パキスタン大使時代から懇意であったこともあり個別面談が実現した。
- 令和5年(2023年)7月、ビラーワル・ブットー・ザルダーリー外務大臣が来日、歓迎夕食会で日本国を代表して歓迎スピーチを述べた。